2002年3月に、スイスへストーブ研究と輸入交渉の旅に行ってきました。
前々から、私の友人でスイスに15年住んでいた、P.R さんからスイスのストーブ及び暖炉の性能のすばらしさを聞いていました。特に P. さんが住んでいたアパートの暖炉の話は、『朝一回薪を投入し、夕方の帰宅時にはまだ部屋は暖かく、夕方にもう一度薪を投入すれば、常に快適な暮らしが、約束される』と言うものでした。そんな話を聞いているうちに、是非スイスのストーブ及び暖炉を見てみたいと強く思うようになり、スイスの125年以上も伝統のあるストーブメーカーへ、研究と輸入販売を行うための交渉を4年ほど前からしてきました。ところが当初メーカーに『日本は重要なマーケットとは思っていませんし、こちらには何のメリットもありません。そして見るだけならスイスのショールームへ行けば』と、あっけない返事が戻ってきてしまい、一時期は、輸入と研究を断念しました。
 しかし、自分のオリジナルストーブを製作していくうちに、どうしてもスイスの暖炉とストーブを見たいと思う気持ちが再び大きく膨らみ、もう一度スイスのストーブメーカーと交渉を再開しました。そして、ようやく『どうぞ来てください』との返事をもらい、この【スイスストーブの旅】を実現することができました。
交渉を続けてきた、Tonwerk Lausen AGの他にも、たくさんのストーブメーカーを廻りましたが、結局このメーカーのT-ONEが最もすばらしいストーブと判断する結論に至りました。
それは私が目指すストーブと同じコンセプトを持っていると言うことと、それが見事に完成されているということです。もちろん実際に工場を案内していただいて、火を焚いたりもしてきました。又、他のメーカーのストーブも実際に火を焚いたりして、ストーブの性能を肌で感じてきました。スイスのストーブはどれもすばらしいと思いましたが、T-ONEは、性能やデザインはもちろん、使い易さ・メンテナンス・暖かさの種類が、他の薪ストーブの追随を許しませんでした。熱による膨張・収縮での本体へのダメージも、メーカーは『壊れない!』と、断言しました。ただ、インナーパーツが水に濡れることだけは、避けなければならないと言うことです。それは、そのパーツへのダメージを与え、損傷の原因になるからとのことです。しかし、通常の使用では、その心配は、まずありません。

 私はストーブを製作するに当たって、上記の条件はもちろんクリアーしなければならない事と思っていますが、それと同時に、実際にそのストーブを使う人の感性をも考慮して製作し、ストーブを通してその人の、人となりが感じられるようなストーブ作りを目指しています。
そして、私の製作するストーブは、オーナー様の個性に合わせて、ゆったりとやさしい炎・躍動感のある炎など、その人に合わせて、炎の種類を変えています。これができるのは、青い空のオリジナルストーブだからこそと思います。
私が見てきたT-ONEは、炎の種類までは選ぶことができませんが、薪の消費が驚異的に少なく、その暖かさの心地よさには、心を奪われるばかりです。

今の日本の薪ストーブ環境を考えた場合、特に薪の確保と保管場所、そして近隣への配慮が重要な問題になってきています。
それを考えた時、T-ONEはきっと、私たちを満足させてくれるに違いないと思いました。T-ONEの燃焼効率は、私の知る限り、世界最高だと思います。そして、スイスの国家プロジェクトのひとつとして開発されたこのストーブは、歴史のあるスイスの知恵とすばらしい技術に裏打ちされたストーブなのです。
つづく