1日に15時間放熱させた場合の薪消費量

薪の感想

薪の企画と薪作り
日本に於ける薪の規格は生産者や地方によって量を表す単位や測量方法が、統一されていませんが、ヨーロッパでの薪生産規格化されており、ユーザーはどこで購入しても同じ長さと量の薪を購入出来ます。
薪の量を表す単位としてSTERE(ステール)と云う単位があり、今でもこの単位を基準に測量は行なわれています。(stと表記されます)
1stの薪の作り方は、長さ1mに玉切りされた薪を所望の太さに割ります。割った後写真下の様な計測機を使って正確に1stを計り、束ねていきます。

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出荷時に50cm、33cm、25cmの長さにカットし、配送されます。
長さ1mの薪は、必然的に1m、50cm、33cm、25cmの長さになりますので、メーカーはその長さの薪を使って使用する事を前提にストーブを生産します。ですから、雑誌等で紹介されている様に、40cm、45cmと云うインフォメーションは間違っています。日本で紹介されている薪の長さは、適切な薪の長さでなく、 燃焼室の大きさです。この情報を信用して薪を用意してしまうと、非常に使い辛かったり、薪が入らなかったりします。ストーブメーカーは薪の規格に併せて、燃焼室の大きさを決定しますから、規格で決められた薪長さを使用するのが正しい薪の長さであり使用方法になります。 またストーブの出力、性能は薪の量に依存し、太過ぎる薪、長過ぎる薪は、ストーブのパフォーマンスが低下します。

某ストーブショップの某機種のインフォメーションでは、薪長さが最大43cmと書かれていましたが、メーカーが表示している薪長さはなんと25cmです。重さにして1.7kg。写真下の薪は長さが33cmですが、おそらく皆さんがイメージしている薪より細く小さいのではないでしょうか?

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薪と出力の関係
例えば出力6kWのストーブの場合、この出力を生み出すには何kgの薪が必要でしょうか?このストーブの暖房能力は、最大24坪暖める事が出来ます。(住宅性能に依存する)
fagot_05 薪が持っているエネルギーは1kgあたり4kWですから、僅か1.5kgの薪量になります。しかし燃焼効率が100%ではありませんので、これに燃焼効率をかけて薪使用量を算出します。燃焼効率を80%と仮定すると、6kWの出力には燃焼効率80%の薪ストーブで1.8Kgがあれば暖房が可能になるはずです。
しかし一般的なストーブの場合、実際にはもっと薪が必要になります。その理由は煙突から多くのエネルギーが屋外へ排出されているからです。
薪ストーブの歴史は、この煙突からのロスを如何に少なくするかと云う歴史でもありました。
現在日本に輸入されている鋳物性の薪ストーブを使って15時間暖房を行なう場合、約25kgの薪が必要です。
出力にして100kWもあります。
蓄熱型薪ストーブを使用した場合、約10kgの薪があれば15時間の間快適で心地よい生活を得る事が出来ます。
それは煙突からのロスを極限にまで少なくし、トーンヴェルク・ストーブであれば6kgの薪の一回の燃焼で蓄熱体に熱を蓄え安定した放熱を10時間も行ないます。 つまり約2.5倍の効率の良さがあります。薪ストーブの世界で頂点に立つ事のできたストーブとして、現在専門家達の間に高い評価を受け、多くの名誉ある賞を受賞しています。


含水計率と云う落とし穴
薪作りは薪ストーブユーザーにとって欠かす事の出来ない冬の準備ですが、未乾燥薪を燃やす事は不完全燃焼を起こし、環境悪化を招くばかりか、煙突火災の危険性も増し、最悪の結果を招き兼ねません。ではどの様にすれば良い薪作りが出来るのでしょうか?一般的には2年の歳月が必要と云われていますが、2年分の薪を常に確保する事は、都市に住む薪ストーブユーザーにとっては困難な事が多いのではないでしょうか?fagot_07短時間で乾燥させる事は無理なのでしょうか?そして一般的に乾燥木材と言われている含水率15%?20%の薪は本当に薪として相応しいのでしょうか? 答えはイエスでもあり、ノーでもあります。

含水率計による測定が乾燥具合を知る方法として上げられますが、実はここには落とし穴があります。電気抵抗型含水率計(写真右)は、2本の針を木材に指し、木材中に含まれる水分がある場合、針と針の間の電気抵抗値で含水率が計れます。針が刺さる深さはせいぜい1mm?2mm程度。木材表面部しか測定出来ません。含水率計が15%?20%を指していても、薪の中心付近はそれより10%?15%程高い場合もあるのです。中央まで含水率を適正含水率20%まで落とすには、表面の含水率は一桁まで落ちていないと、燃料としての価値は低い事になります。


薪の乾燥

木材乾燥の仕組み:
木材乾燥の過程には、自由水が蒸発するステップ1と結合水が蒸発するステップ2とに分かれます。自由水とは比較的自由に移動できる水の事で、この自由水が完全に蒸発した時の含水率は約30%で繊維飽和点といい、短期間で蒸発します。繊維飽和点以後は、木材中の構成成分と結びついている水(結合水)が蒸発を始め、この時初めて木材に割れや収縮が始まり、目視において乾燥してきた事が確認出来ます。
天然乾燥は人口乾燥より遅いとされていますが、厚さ25mm以上の硬木はかえって早い場合もあり、木材乾燥の不思議さを感じさせてくれます。
結合水を蒸発させるには長期間を要します。一般的に乾燥木材は20%を下回る状態を指しますが、湿度が高い我が国に於いては15%?16%が限界値と云われています。


短期間で乾燥させるには:
木材乾燥の重要条件は通風ですが、繊維飽和点を超えた木材は、木材中心付近の結合水が表面に移動し蒸発していきます。蒸発した水分は風によって運ばれ拡散し乾燥を促します。 天然乾燥させる要素には温度、湿度、風速が関係しますが、この自然条件を操る事は出来ません。従って薪を効率よく乾燥させるには気温が高く湿度の少ない時期を選ぶべきで、梅雨時は避けなくてはなりません。また伐採する時期は紅葉の始まる頃から12月下旬までが最も樹木は水を吸い上げていませんから、この時期に伐採が行なわれるのが良いでしょう。
薪の乾燥には前記した様に風が重要ですから、伐採後すぐに薪を割り始め、春の日差しが強くなったシーズン終了直後には薪棚に薪が積み上がっており、乾燥開始がスタートしている事が相応しいと云えます。
又初期乾燥の段階では雨に打たせたりしておく事も、薪を早く乾燥させるには有効です。5月に入ると乾燥が急速に進む時期ですから、この頃には,次シーズンの薪が薪棚に積上っている必要があります。


薪を積み上げる:
薪の積み方も乾燥の早さを大きく左右します。隙間なく薪棚に出来る限り多くの薪を積み上げるのは、よくありません。1本1本の薪に充分風が当たる様に、2cm?3cmほどの隙間を作りながら積み上げる事が非常に重要です。そして薪棚は建物、壁際、樹木等の陰を避け、陽当たりがよく、水はけ、通風のよい場所を選びます。そして通風の妨げにならない様に雑草等もこまめに取り除きます。地面からは30cm?40cm程の高さから薪を積み上げます。これは家屋の床下の高さと同じくらいで、湿気から家屋を守る為です。時々地面から直接薪を積み上げている光景を目にしますが、これでは下の薪が乾燥しません。そして薪棚には屋根を設けます。シート等で覆う事は蒸発した水分が風によって拡散されませんので、乾燥が著しく遅くなります。そして薪棚は単に薪の保管を行なうものでなく、薪を乾燥させる装置であると認識し、その目的の為に設計されなければなりません。
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上の写真の薪小屋はよく工夫された薪小屋で、四方が囲まれていますが天井は透明のポリカを使用し、下から風が薪小屋の中に入り込み、上部壁の網の部分から風が抜けてく構造になっています。
屋根が透明で出来ていますので薪小屋の中の温度が上昇し自然対流が起き、薪の乾燥を促進させます。木材の結合水をより早く取り除くにはこのようなアイデアが必要で、短期間の天然乾燥のみでは除去しきれない水分を取り除く事が可能になります。


仕上げ含水率:
このように薪作りを行なうと、1年でも含水率計は一桁の含水率を示します。この含水率は木材表面の含水率です。
表面が8%?9%の含水率まで落ちた薪はきれいに燃えるばかりでなく、煤の量も極めて少ないのです。よく乾燥した薪を使う事で、寒い冬を快適に過ごせる事は言う迄もありませんが、周りへの環境、安全性に置いても貢献し、薪の乾燥はユーザーにとって最も大切な仕事になるのです。


薪乾燥の裏技:
薪を効率よく乾燥させるには、初期乾燥の段階において雨、又は水の中に入れて乾燥させる方法があります。この方法は昔から行なわれている伝統的な乾燥方法で、結合水を自由水に置き換え、中期乾燥時間を大幅に短縮出来ます。
昔は、伐採の後、丸太を筏に組み、川を流して運んでいました。この方法を行なうと乾燥が早まるばかりでなく、木材の色合いも良くなるという効果もあったそうです。運搬、乾燥、木材の品質向上の一石三鳥の効果をもたらしていた先人の知恵には脱帽です。
こうして初期乾燥をした木材は、1年で充分満足出来る燃料として価値を見いだせます。勿論その後の薪の積み方によっても乾燥時間は大きく左右されますから、一つ一つの行程と作業は慎重にされるべきです。


簡単薪棚の作り方

 33cmの薪が積み易い薪棚を紹介します。
 材料は全てホームセンターで購入出来ます。
 水はけ、陽当たり、風通しの良い場所に設置する事。

用意する材料;2×4×12フィート(約3660mm)・・・13本
          2×4×3フィート(約910mm)・・・1本
          ブロック基本150・・・4丁
          ブロック基本100・・・4丁
          ビスφ4首下90・・・約60本
          オイル・・・1缶
          ポリカ波板5尺・・・6枚
          ポリカ波板ビス・・・50本入り2袋
用意する道具;インパクトドライバー
          ペンキ缶
          刷毛
          ラッカーシンナー(刷毛洗浄用)
          丸鋸又はノコギリ
          鉛筆
          曲尺
          スケール
*ビス留めは、インパクトドライバーを使用。持っていない方は
ホームセンターでレンタルしてくれます所もありますから、確認して下さい。


作り方:

薪をカットする 材料を下記のサイズにカットする。
柱材: 1860mm×2本 (手前)
1830mm×2本 (真ん中)
1800mm×2本 (後ろ)
屋根材: 1210mm×4本 (横)
3160mm×2本 (内側)
3600mm×2本 (外枠)
床材: 3160mm×4本 (番木)
740mm×2本 (貫)

*材料取りは無駄の無い様に1860mmと1800mmが1本から取れる様にするなど、考慮する。
*今回の試作は、後からオイルを塗ったが、組み立てる前に塗ると良い。


薪の組立1 薪の組立2

まず柱材と屋根材横(1210mm)を写真の様にビスで留めていく。柱の間隔は200mmとする。
柱の下はブロック(150)の穴に差し込むだけ。
左右の柱を立てたら貫、番木の順にビスで留めていく。このとき柱が垂直に立って いるか確認する事。


屋根材外枠

その後は、屋根材外枠(3600mm)→屋根材横外枠(1210mm)→屋根材内側(3160mm)→オイル塗布→ポリカ波板の順に留めて完成。
ブロック(100)4丁は前後に2列になる様に配置し、薪を積んだ時に番木がたわまない様にする。
薪は前後2列に積みます。


*紹介させて頂いた薪棚は簡易型です。ブロックは固定していませんので、薪が空になった時に強風で倒れる恐れがあります。
心配な方はブロックは基礎で固め柱もブロックに固定して下さい。